リノベーションにかかる費用相場をあらゆるケースで解説
マンションや戸建てをリノベーションする際、気になるのが費用相場ではないでしょうか。
実際のリノベーション費用は、物件の状態や工事内容によって大きく変わります。
新築と比べて費用を抑えられるとはいえ、平均的なフルリノベーションでも1,000万円前後の費用がかかることも。
そこで今回は、マンションや戸建てにおけるリノベーションの費用相場について、建物の種類や広さ別に詳しく解説します。
費用を抑えるコツや変動要因についても紹介しますので、これからリノベーションをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
リノベーションの費用相場【建物編】
リノベーションの費用は、建物の種類や築年数によって大きく異なります。
まずは、マンションと戸建てそれぞれの費用相場について、具体的な金額と、その内訳を見ていきましょう。
マンションリノベーションの場合
まず新築分譲マンションと、中古マンションをリノベーションした場合の費用を比較してみましょう。
新築分譲マンションの場合、2021年の調査では平均購入価格が約5,700万円で、これに諸費用として物件価格の3~5%(5,000万円の物件で150万円~300万円程度)が必要になります。
一方、中古マンションの場合、2021年の東京都における平均購入額は約3,900万円です。これにリノベーション費用として600万円~1,000万円(1㎡あたり10万円~15万円が目安)を見込む必要があります。
ただし、面積計算の際はバルコニーなどの共有部分は除外することに注意が必要です。
このように、中古マンションをリノベーションする方が、トータルコストを抑えられる可能性が高いことがわかります。
戸建てリノベーションの場合
続いて、戸建ての場合のリノベーション費用を見ていきましょう。
新築の戸建て住宅は、注文住宅で平均約4,100万円、分譲の場合で約3,800万円が相場です。一方、中古戸建ての場合、平均購入価格約2,400万円に、リノベーション費用として300万円~2,000万円が加算されます。
戸建てのリノベーション費用は1㎡あたり30万円~150万円と、マンションと比べて費用の幅が大きくなります。
これは、フルリノベーションか部分的な間取り変更かによって費用が大きく変動するためです。
場合によっては、購入費用と施工費用の合計が新築の価格を上回ることもあるため、想定する工事内容を早めに明確にし、業者とよく相談しながら計画を立てることが重要です。
リノベーションの費用相場【広さ編】
リノベーションの費用は、広さによっても大きく変動します。
ここでは、マンションの専有面積別に、具体的な費用相場と実例を紹介していきます。
60㎡の場合
60㎡のマンションリノベーションの費用相場は、900万円~1,200万円程度となっています。
この広さは一般的に2~3LDKの間取りが多く、リノベーションによって家族構成に合わせた使い方ができます。
たとえば、壁を取り払って広々としたリビングにしたり、収納を増やして暮らしやすい空間にしたりと、自由度の高いプランニングが可能です。
単身者から4人家族まで、ライフスタイルに合わせた住まいづくりが実現できる広さといえるでしょう。
60㎡のマンションリノベーションの費用相場は、900万円~1,200万円程度です。2~3LDKの間取りが一般的で、壁を取り払って広々としたリビングを確保したり、収納を増やしたりと、単身者から4人家族まで対応可能な間取りプランを実現できます。
70㎡の場合
70㎡のマンションリノベーションでは、1,050万円~1,400万円程度の費用が一般的です。
この広さは、4LDKとして利用すれば4~5人家族でも十分に暮らせる間取りを実現できます。
しかし、近年では3人家族向けに2LDKへ間取り変更するケースも増えています。
間仕切りを減らすことで広々としたリビングが確保でき、ファミリークローゼットなどの大型収納も設置可能となります。
実際のリノベーション事例では、設計のプロが自邸を手がけた物件もあります。
そこでは、コストを抑えながらも理想の空間づくりを実現するため、既存の間取りを活かしつつ、必要な箇所に重点的に投資する工夫がなされています。
70㎡という広さは、収納スペースにやや余裕が欲しいと感じる方もいますが、リノベーションで間取りを工夫することで、十分な収納力と快適な暮らしの両立が可能です。
プロの知見を活かしたリノベーションプランを立てることで、予算内で理想の住空間を実現できる広さと言えるでしょう。
80㎡の場合
80㎡のマンションになると、リノベーション費用相場は1,200万円~1,600万円程度となります。
この広さは、2~3人家族やペットと一緒に暮らすのに適した、ゆとりのある空間を実現できます。
実際の施工事例では、壁のモルタル仕上げや天井の板張りなど、素材感を大切にした上質な空間づくりが多く見られます。
収納や水回りにもゆとりを持たせられ、設備や内装材を妥協なく選べる一方、費用が1,500万円を超えるケースも珍しくないため、重点的に投資する箇所を見極めることが重要です。
90㎡の場合
90㎡のマンションリノベーションでは、1,350万円~1,800万円程度の費用が相場となります。
この広さでは、独創的なプランニングが可能で、間仕切り壁をなくした広々としたLDKやスケルトン天井による開放感の演出など、大胆な空間づくりができます。
水回りの大規模な移設や収納スペースの拡充といった機能面での充実も図りやすく、自分たちだけの特別な住まいを実現できます。
ただし、工事範囲が広くなるため、物件探しの段階からリノベーション会社と相談し、建物の構造や設備配置を考慮しながら、予算管理を慎重に進めることが重要です。
リノベーションの費用が変動するポイント
マンションや戸建てのリノベーション費用は、工事内容によって大きく変動します。
ここでは、リノベーション費用を左右する主なポイントについて、具体的に解説していきましょう。
物件の立地
リノベーション費用は、物件の広さだけでなく立地環境によっても変動します。
とくに住宅密集地や繁華街に位置する物件では、工事費用が高くなりやすい傾向にあります。
その主な理由は、作業車や運搬車を建物の近くに駐車できないケースが多いためです。
このような場合、資材や工具、解体材などを人力で運搬する必要があり、その分の人件費がかさんでしまいます。
また、敷地が狭く作業スペースが十分に確保できない場合は、工事の効率が悪くなります。
結果として工期が長引き、人件費などのコストが増加することにもつながります。
立地条件によっては、思うような工事ができない可能性もあるため、施工会社の選定は慎重に行う必要があります。
できれば、似たような立地条件での施工実績がある会社を選ぶことをおすすめします。
物件の状況
築年数の古い物件では、過去のメンテナンス状況によってリノベーション費用が大きく変動します。
たとえば、築30年の物件で、これまで十分なメンテナンスが行われていない場合、さまざまな箇所で劣化が進んでいる可能性があります。
マンションであれば、配管や配線の総入れ替えが必要になることも。
また、戸建て住宅の場合は、屋根や外壁の劣化に加え、シロアリ被害などの深刻な問題が隠れている場合もあります。
このように、メンテナンス不足の物件では、表面的な改修だけでなく、建物の基本性能を回復させるための工事も必要となります。
結果として、当初の想定よりもリノベーション費用が大幅に増加してしまうケースが少なくありません。
そのため、中古物件の購入時には、建物の劣化状況やメンテナンス履歴を必ず確認するようにしましょう。
設備機器や内装材などのグレード
リノベーション費用を左右する要素として、最もわかりやすいのが設備機器や内装材のグレード選択です。
設備機器は、性能やデザイン、お手入れのしやすさなどによって、価格が大きく異なります。
たとえば、ユニットバスの場合、グレードによって以下のような価格差が生じます。
- スタンダードグレード:60~100万円
- ミドルグレード:100~150万円
- ハイグレード:150~200万円
内装材についても、素材の質感や耐久性、デザイン性によって、費用は大きく変動します。
一般的なフルリノベーションの費用相場は、中級グレードの設備や内装材を想定した価格となっています。
そのため、高級グレードの機器や材料を選択すれば、トータルコストは上昇します。
逆に、リーズナブルな設備や内装材を採用すれば、予算を抑えることも可能です。
グレード選択の際は、重視したい機能や性能を明確にした上で、予算とのバランスを考慮しながら決めていくことが大切です。
全体的な耐熱改修や耐震改修
全体的な断熱改修や耐震改修は、物件の種類によって実施できる範囲が大きく異なります。
マンションの場合、断熱対策は窓を断熱窓や二重窓に交換する程度が一般的で、共用部分の改修には管理組合の承認が必要なため、大規模な工事は難しい状況です。
一方、戸建て住宅では本格的な改修が可能です。
断熱改修では壁内や天井裏、床下への断熱材の充填、耐震改修では構造体の補強や間仕切り壁の追加など、大規模な工事が必要になります。
耐震補強だけでも100~200万円が相場となるため、リノベーションプランを検討する際は、これらの性能向上も含めた総合的な検討が重要です。
間取りの大幅な変更
間取りの大幅な変更も、リノベーション費用を大きく左右する要因となります。
既存の間仕切り壁を解体し、新たに壁を造作し直す必要があるため、工事費用は必然的に高額になります。
たとえば、リビングを広くするために和室との仕切り壁を撤去したり、水回りの配置を変更したりする場合は、大規模な工事となります。
とくに戸建て住宅では、構造上の配慮も必要となります。
間仕切り壁の位置を変更すると、建物の偏心率(構造物の重心が剛心から離れている度合い)に影響を与える可能性があります。
これにより建物の耐震性が低下してしまう場合は、追加で耐震補強工事が必要となり、さらなる費用増加につながります。
そのため、間取り変更を検討する際は、単に使い勝手だけでなく、建物の構造的な制約も考慮する必要があります。
リノベーションの費用を抑えるコツ
できるだけ費用を抑えながら、理想のリノベーションを実現したいと考えるのは自然なことです。
実は、プランニングの工夫や施工方法の選択によって、予算をコントロールすることは十分に可能です。
ここでは、リノベーション費用を効果的に抑えるための具体的なコツをご紹介します。
極力今の間取りを活かす
リノベーションは、間取りを大きく変更できる魅力がありますが、費用を抑えるには既存の間取りをうまく活用することがポイントです。
現在の間取りに大きな不満がない場合は、収納の工夫や動線の改善など、必要最小限の変更で理想の住まいを目指しましょう。
経験豊富なプランナーに相談すれば、予算と理想のバランスを考慮した最適なプランを提案してもらえます。
複数の工事をまとめて行う
リノベーション費用を抑えるためには、できるだけ工事をまとめて行うことが効果的です。
一見、時間をかけて少しずつリフォームを進めていく方法が、予算的に楽に感じるかもしれません。
しかし実際には、工事を分割することで、その回数分の諸経費が余分にかかってしまいます。
また、部分的に工事を進めていくと、使用する部材の質感や仕上げのトーンが微妙に異なってしまう可能性があります。
結果として、せっかくのリノベーションなのに空間の統一感が損なわれてしまうことも。
一方、複数の工事をまとめて行うことには、いくつかのメリットがあります。
同じ職人が一貫して施工することで、品質が安定し、仕上がりの統一感も保てます。
さらに、資材の一括発注や作業の効率化によって、トータルの費用を抑えることができます。
まとまった予算は必要になりますが、長期的に見ると費用対効果の高い選択となるでしょう。
設備にこだわりすぎない
設備機器の選択も、リノベーション費用を大きく左右するポイントです。
有名ブランドの製品は多機能で価格が高くなりがちですが、リノベーションのプロが使用している建材やメーカー品には、品質が良くリーズナブルな製品も多くあります。
リノベーション専門会社に相談し、予算と品質のバランスが取れた製品を選ぶことで、必要な機能は確保しながら費用を抑えることができます。
リノベーション業者の得意分野を知っておく
リノベーション会社の選定は、費用対効果の高い施工を実現する重要なポイントです。
会社によって得意分野は大きく異なり、マンションリノベーションの専門会社であれば多様な物件に対応できる設計・デザインのノウハウを持ち、物件探しを得意とする会社では独自のネットワークと確かな「目利き力」を備えています。
一方で、戸建て専門の会社では、安価で小回りの利く工事に強みを持つ場合も。
会社選びでは、過去の施工事例やカタログでの実績確認はもちろん、見学会への参加や担当者との直接対話を通じて、提案力や対応力を見極めることが大切です。
自身の理想とする住まいづくりに最適な会社を選ぶことで、限られた予算でも満足度の高いリノベーションが実現できるでしょう。
ワンストップリノベーションを選ぶ
中古物件の購入からリノベーションまでをトータルで考える場合は、ワンストップリノベーションがおすすめです。
物件探しの段階からリノベーション会社が関わることで、その物件の個性を活かしたプランニングが可能になり、総費用も効果的に抑えられます。
たとえば、既存の間取りを活用できる物件を選べば、その分の予算をキッチンや造作家具など、こだわりたい部分に振り分けることができます。
さらに、FP(ファイナンシャルプランナー)による資金計画のサポートを提供する会社も増えています。
最適なローン計画の提案から、住宅ローン控除の活用方法、ランニングコストの試算まで、物件購入時の初期投資から入居後の生活費まで、一貫したサポートを受けられるのが特徴です。
補助金や減税制度を活用する
リノベーション費用を抑えるには、国や自治体が提供する補助金や減税制度の活用がポイントとなります。
断熱などの省エネ改修工事、子育て世帯向けの間取り改修、バリアフリー化、耐震補強など、工事の内容によってさまざまな補助金制度を利用できる可能性があります。
ただし、これらの制度は自治体によって内容が異なり、適用条件や募集時期も変更される可能性があります。
お住まいの地域で利用できる制度の内容や、申請に必要な条件、募集時期などは、事前に確認しておくことが重要です。
また、住宅ローンを利用する場合は、確定申告による住宅ローン減税も活用できます。
これにより、入居後の返済金利の一部を一定期間にわたって軽減できるため、リノベーション会社や自治体の窓口に詳しい内容を確認することをおすすめします。
賢く予算を組んで理想のリノベーションを実現しよう
リノベーションの費用相場は、マンションで900万円~1,800万円、戸建てで700万円~2,500万円と、物件の状況や工事内容によって大きく変動します。
しかし、既存の間取りを活かしたり、工事をまとめて実施したり、適切なグレードの設備を選んだりすることで、予算を効果的に抑えることが可能です。
また、物件探しの段階から専門家に相談し、補助金や減税制度を活用することで、さらに費用対効果の高いリノベーションを実現できます。
新築にはない自由度の高さと、コストパフォーマンスの良さが魅力のリノベーション。費用相場を参考にしながら、賢く予算を組んで理想の住まいづくりを目指しましょう。
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